お自我偈は魂
夫れ法華経は一代聖教の骨髄なり。
自我偈は二十八品のたましいなり。
三世の諸仏は寿量品を命とし、十方の菩薩も自我偈を眼目とす。
現代語訳
そもそも法華経は釈尊が生涯に説かれた八万四千の経典の骨子であり、なかでも『自我偈』は法華経全二十八品の魂である。過去・現在・未来の三世に現れたすべての仏様は『寿量品』をもって生命の源とされ、十方の菩薩方も『自我偈』を魂とされている。
釈尊が生涯に説かれた八万四千の経典の真髄が自我偈のわずか五一〇文字に集約されています。
とりわけ崇めて経題に「お」を冠するのはこのお自我偈だけです。
お経を覚えるならまず『お自我偈』を!
曽谷教信
下総・国分村曽谷(千葉県市川市)に住す。富木常忍、太田乗明らと共に鎌倉幕府門注所に出仕。後、剃髪し入道となって法蓮日礼と名乗った。学問、教養深く先の二人と共に、大聖人の早くからの有力信者で重要な教義書が多く与えられている。又、大聖人佐渡流罪中にも同志と共に、不屈の信仰を貫き、身延入山後もたびたび登詣し至誠を尽くした。本書は曽谷氏が亡き父の十三回忌に当たり法華経を五回読誦し、慈父の亡くなった日より足かけ十三年間、今日まで毎日自我偈を読み回向してきたことに対する賞賛のお手紙。