法話~今日の糧~

日蓮大聖人のお言葉

  • 二十二日

    逆境

種種御振舞御書 祖寿五十四歳 於身延 光日房宛(伝)

釈迦如来の御ためには、提婆達多こそ第一の善知識なれ。
今の世間を見るに、人をよく成すものは、方人よりも強敵が人をば、よくなしけるなり。(中略)
日蓮が仏にならん第一の方人は、景信、法師には良観・道隆・道阿弥陀仏、平左衛門尉・守殿ましまさずんば、
争か法華経の行者とはなるべきと悦ぶ。

現代語訳
釈尊は「我が命を狙った提婆達多こそが、自分に悟りを開かせてくれた第一の恩人である」と、感謝されている。今の世間を見ても味方よりも、むしろ強敵が人を成長させるものである。(中略)いま日蓮が仏になる第一の味方は、この日蓮を殺害しようとした東条景信、法師では良観・道隆・道阿弥陀仏、そして平左衛門尉頼綱・北条時宗公で、もしこれらの人々がいなければ、到底、法華経の行者となることはできなかったであろうと悦び感謝している。

今日の糧

あなたは今、嫌いな人や苦手な人がいますか? 
私たちは、どうしても自分の考え方や性格が合わない人とは、なるべく距離をおきたいと思います。
しかし、親戚やご近所、あるいは仕事上どうしても避けられない人間関係もあります。
人が成長するのは逆境の時ほど大きいものです。
今日は相手の仏心を探してみましょう。

種種御振舞御書
本書は大聖人の四つの著述を後世の先師が一つにまとめたといわれている。蒙古襲来の気配の中、『立正安国論』での諫めを用いない幕府や諸宗派を糾弾し、さらにご自身の度重なる法難の様子を描写される。最後に身延の地勢や草庵生活の様子を語られている。この一節は迫害者こそが悟りへの恩人であることを説かれている。

善知識
悟りを開くにあたってその手助けとなってくれた人。