法話~今日の糧~

日蓮大聖人のお言葉

  • 十七日

    家庭の絆

兄弟鈔 祖寿五十四歳 於身延 池上宗仲・宗長兄弟宛

比翼と申す鳥は、身は一にて頭二あり。
二の口より入る物、一身を養う。
比目と申す魚は、一目ずつある故に一生が間、はなるる事なし。
夫と妻とは是の如し。

現代語訳
比翼という鳥は雄と雌が一体で頭は二つあり、それぞれの口に入った食べ物は一つの体を養う。比目という魚は雄と雌が片目ずつしか無いので、一生の間離れることはない。夫と妻もこの通りあるべきものである。

今日の糧

「夫婦の絆は二世」とよく言われますが今生たまたま夫婦になったのではありません。
過去世、あるいは来世に続く縁で結ばれていることに気付かねばなりません。
兎にも角にも信仰はまず夫婦・家庭から。

池上宗仲・宗長兄弟
大聖人の有力信徒。大聖人は臨終を宗仲の屋敷で迎えられた。後の池上本門寺となる。兄弟本人達のみならず、それぞれの妻も大聖人に深く帰依した。しかし、兄弟の父親が極楽寺良観忍性に帰依していたところから父子の間に信仰上の葛藤が生じた。ことに兄・宗仲は二度まで勘当されたが、最終的に父も改宗し一家を上げて大聖人の信者になった。この一節は父子葛藤の最中、信仰を通して夫婦の絆を一層深めるよう励まされたものである。