法話~今日の糧~

日蓮大聖人のお言葉

  • 十五日

    即身成仏

上野尼御前御返事 祖寿六十歳 於身延 上野尼宛

蓮華と申す花は菓と花と同時なり。
一切経の功徳は先に善根を作して、後に仏とは成ると説く。
かかる故に不定なり。
法華経と申すは、手に取れば、その手やがて仏に成り、口に唱うれば、その口即ち仏なり。(中略)
この経を持つ人は、百人は百人ながら、千人は千人ながら、一人もかけず仏に成ると申す文なり。

現代語訳
蓮の華というのは、菓がなるのと花が咲くのとが同時である。法華経以外のすべての経典が説く功徳とは、先に善根をなし、その功徳で後から仏に成れると説く。故に確実に仏の果実を結ぶかどうかは決まっていない。ところが法華経は、手に取ればその手がたちまちに仏になり、口に唱えればその口がそのまま仏となるのである。(中略)この法華経を持つ人は百人は百人ながら、千人は千人ながら一人も欠けずに仏に成ると説く経である。

今日の糧

法華経は序々に仏に近づくのではなく、本仏釈尊から見れば、煩悩にまみれながらも、
お題目を唱えるあなたのその姿が、そのまま尊い仏様なのです。
唱題を生涯の糧に!

上野尼
駿河・富士郡上野(静岡県富士市)に住し、南条兵衛七郎の妻にして時光の母。生涯、息子時光等と共に大聖人に給仕を尽くした。本書は亡父の忌日に大聖人へ供養を送ったことに対しての礼状であり、この一節は父子共に生前、法華経信仰に励んだことにより成仏は疑いなし、との力強いお答えである。