法話~今日の糧~

日蓮大聖人のお言葉

  • 十四日

    正行はお題目

妙法尼御前御返事 祖寿五十七歳 於身延 妙法尼宛

南無妙法蓮華経の題目の内には、一部八巻二十八品六万九千三百八十四の文字一字も、もれず、かけず、おさめて候う。(中略)
法華経一部の肝心は、南無妙法蓮華経の題目にて候う。
朝夕、御唱え候わば、正しく法華経一部を真読にあそばすにて候う。
二返唱えば二部、乃至百返は百部、千返は千部、加様に不退にお唱え候わば、不退に法華経を読む人にて候うべく候う。

現代語訳
南無妙法蓮華経のお題目の内には一部八巻・二十八品・六万九千三百八十四の文字が一字も漏れず、欠けずにすべて納められている。(中略)法華経一部の肝心は南無妙法蓮華経のお題目である。それを朝夕、唱えれば正まさしく法華経一部を一々文々で読誦したことになる。二返唱えれば二部、さらに百返では百部、千返では千部、このように怠らず唱えれば怠らず法華経を読んだ人になるのである。

今日の糧

「お経は難しいのでお題目だけで良いのでしょうか?」とよく聞かれます。
もちろんお経を読むことは大切なことです。
しかし、忘れてならないことは唱題こそ正行、修行の中心なのです。
私たちを成仏へと導いて頂ける唯一の道は、唱題であることを忘れてはならないのです。

妙法尼
詳細は不明であるが駿河国岡宮(静岡県沼津市)に住し、弘安元年に夫を亡くし、同年兄も続けて亡くしたと言われている。 本書は妙法尼から唱題による成仏について質問を受けたことに対する返書。この一節は法華経とお題目の関係が端的に説かれている。