成功の鍵は一致団結
異体同心なれば万事を成じ、同体異心なれば諸事叶う事なしと申す事は、外典三千余巻に定りて候う。(中略)
一人の心なれども二つの心あれば、その心たがいて成ずる事なし。
百人千人なれども、一つ心なれば必ず事を成ず。
現代語訳
「異体同心といって、身は異なっても心が一致協力し合えば何事も成就することができる。逆に同体異心といって、一つにまとまるべき人々の心が異なっていたのでは何事も成就し難い」とは儒教のすべての典籍が教えるところである。(中略)身は一つでもその心が定まっていなければ何事も成すことができない。反対に身は別でも心が一つになれば何事も成就することができるものである。
「自分の我がままは当たり前と思い、他人の我がままは許せない」という のが人の常かも知れません。
そんな捨て去りがたい「我 」を持った者同士、お題目を結び目としてお互いの「我 」を認め合ったところに
調和と発展の「大我」が生まれてくるのです。
異体同心事
大聖人を信奉する駿河国熱原(静岡県富士市)の農民たちが領主の弾圧と対決するさなか、大聖人は一同にさらに固い信仰の結束を促された。太田乗明は下総(千葉県)にあって、駿河とは遠く離れていてもこの一件を案じており、供養の返礼にこの書を認めたとも伝えられる。