法話~今日の糧~

日蓮大聖人のお言葉

  • 四 日

    大聖人ご生涯の一大目的

諫暁八幡抄 祖寿五十九歳 於身延 不詳

今日蓮は去ぬる建長五年癸丑四月二十八日より、今弘安三年太歳庚辰十二月にいたるまで二十八年が間、また他事なし。
ただ妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ計りなり。
これすなわち母の赤子の口に乳を入れんとはげむ慈悲なり。

現代語訳
日蓮は去る建長五年癸丑(一二五三)四月二十八日から、今年弘安三年庚辰(一二八〇)十二月にいたるまでの二十八年の間、ただ一つのことだけを行ってきた。それは、本仏釈尊の魂である、南無妙法蓮華経の七字五字のお題目を、日本国の一切衆生の口に唱えさせようと、ただひたすら努めてきただけである。これはまさに、母親が赤ん坊に乳を飲ませようと一生懸命に励むのと同じ慈悲の心である。

今日の糧

大聖人の六十一年のご生涯は、ただこの一事に尽きるといっても過言ではありません。
大聖人は人心混乱する時代に釈尊の御心を体してお題目を弘めることこそ今生の使命とされたのです。
この大聖人のお心持ちを私たちも味わいたいものです。

諫暁八幡抄
本書は法華経守護の誓約をする、八幡大菩薩を祀る鎌倉鶴岡八幡宮が炎上した原因は、その氏子である北条氏が法華経の行者を迫害した為で、八幡大菩薩が自ら社殿を焼き払い天上へ昇ったのであると説く。そこで改めて八幡大菩薩に法華経の行者を守護すべきであると諫められるのである。その中でこの一節は法華経の行者として、大聖人ご生涯の一大目的を明かされている。